2024年4月1日から各エリアの大手電力会社では、料金見直しが実施されており、その中でも
- 再エネ賦課金の値上げ(影響額は大きい)
- 政府の電気代補助終了(影響額は大きい)
上記による電気料金の負担が家計に与える影響は大きいです。
毎月支払っている電気料金は、どうやって計算されてるの?数字をみても何だかよくわからない…。再エネ賦課金?なに?という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
電気料金の内訳や計算方法を理解すると、ご自身の電気の使用状況がよく分かり、
- 具体的な電気料金の節約の仕方
- 電気の使用状況に最適な料金プランであるかの判別
- 最適な電力会社へ乗り換える際の参考
などのメリットやデメリットの知識が得られ、家計管理がより効果的にできます。
そこで、中部電力の電気料金の内訳と計算方法、計算式を分かりやすく解説します。
(従量電灯Bの料金を基に計算します。)
うちの妻は、計算方法をあまり理解していませんでしたが、最近は、私の影響もあり計算できるようになりました。
計算方法は、とても簡単ですのでぜひ、参考にしてくださいね。
2024年電気代の値上げについてはこちらの記事がありますので、ご覧くださいね。
2024年8月から2024年10月までの3か月間にわたり政府の電気代補助金「酷暑乗り切り緊急支援」が実施されます。また、最新の電気代節約に使える補助金制度についてまとめた記事がありますので、ぜひご覧下さい。
電気料金の内訳を解説
上記内訳①~④の合計が電気料金となります。(※契約する新電力によっては、上記電気料金の算出内訳①~④の他に容量市場の開始に伴い容量拠出金反映額が請求されます。検針票やマイページなどで確認しましょう。)
2024年5月の電気料金の計算
- 従量電灯Bプラン
- 契約容量:50A(一般的な4人家族の目安)
- 電力使用量:400kWh(一般的な4人家族の平均電力使用量/月)
- 燃料費調整額:2024年5月の単価0.04円/kWh
- 再エネ賦課金:3.49円/kWh
中部電力の基本料金は、2024年4月1日以降の見直しで、1契約につき備考にある差額分の値上げとなりました。
①基本料金 | 中 部 | 中 部 | 備 考 |
プラン (1契約) | 従量電灯B | 従量電灯B | 値上げ金額 (1契約あたり) |
期間 | 2024.3/31まで | 2024.4/1~ | |
10A | 297.0 | 321.14 | +24.14 |
15A | 445.5 | 481.71 | +36.21 |
20A | 594.0 | 642.28 | +48.28 |
30A | 891.0 | 963.42 | +72.42 |
40A | 1,188.0 | 1,284.56 | +96.56 |
50A | 1,485.0 | 1,605.70 | +120.7 |
60A | 1,782.0 | 1,926.84 | +144.84 |
中部電力の電力量料金単価は、2024年4月1日以降の見直しで、下記表の差額分、わずかに値下げとなりました。
②電力量料金単価 | 中部 | 中部 | 差額 |
プラン | 従量電灯B | 従量電灯B | わずかに 値下げ |
期間 | 2024.3/31まで | 2024.4/1~ | |
0~120 | 21.33 | 21.20 | ▲0.13 |
121~300 | 25.80 | 25.67 | ▲0.13 |
301~ | 28.75 | 28.62 | ▲0.13 |
①基本料金は、50Aなので1,605.70円
※契約容量により基本料金は異なり、一般的な4人家族の目安は50Aとなります。
②電力量料金(400kWhで計算)は、下記の合計10,026.60円
上記表にある電力量料金単価を使い計算します。
21.20円×120kWh=2,544.00円 ←最初の計算は、120kWh
25.67円×180kWh=4,620.60円 ←次の計算は、180kWh
28.62円×100kWh=2,862.00円 ←{月間の電力使用量400kWh-(120kWh+180kWh)}
上記3つの計算合計10,026.60円
(120kWh+180kWh+100kWh=400kWh←月間の電力使用量)
③燃料費調整額は、16円
0.04円/kWh×400kWh=16円
※2024年5月の単価0.04円/kWhで計算。電力会社により単価は異なり、毎月変動する。
④再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は、1,396円
3.49円/kWh×400kWh=1,396円
※各年度ごとに経済産業省が算定を行い、毎年5月に料金が改訂される各社同単価で、電力会社による差異はない。
①~④までの合計が電気料金13,044.3円
(※今回の計算では、ポイントなど割引の特典などは、計算に含まない)
以下の項目で、それぞれの内訳内容を詳しく見て行きましょう!
電気料金内訳と計算方法をまとめたこちらの記事もありますのでぜひ参考にしてください。
①基本料金
契約の大きさにより料金が決まります。
それぞれのご家庭にあった契約アンペア数は、1日のうちで、1度に使う電気の最大使用量で決めるのが良いです。
- 一人暮らしなど、電力使用量が少ない場合は、20A~30A
- 世帯人数の多い方、普段から電力使用量が多い場合、40A~60A
一般的な目安として4人世帯の契約アンペアは、50Aとなりますので上記表の50Aの基本料金の金額となり、今回の見直しにより基本料金が+120.7/1契約で1,605.70円となります。
契約アンペア数が適切か、今の電気の使用状況に合ったものか確認するためにもアンペア使用量の計算方法を知っていると良いです。
- ベースの消費電力:常に電気を使用している家電
- ピークの消費電力:常時使わず一時的に使用する家電
▽ベースの消費電力
- 冷蔵庫、テレビなど季節や時期に関係なく日ごろから使う家電
- 夏の冷房機器、冬の暖房機器など、時期や季節に限って使う家電
電気ストーブ(9.9A) | エアコン(6.6A) | こたつ(5A) | 冷蔵庫450Lクラス (2.5A) |
テレビ42型(2.1A) | 照明(1A) | LED照明(0.4A) | 扇風機(0.3A) |
ベース消費電力の高いものは、やはり電気ストーブやエアコンなどの暖房器具です。
エアコン(6.6A)+テレビ42型(2.1A)+冷蔵庫450Lクラス(2.5A)=合計11.2A
ご自身のご家庭で使うものに合わせて上記アンペアを用いて計算してみてくださいね。
▽ピークの消費電力
- 一時的に使う家電
- 朝、昼、夜などの各時間帯で使用する家電
15A | 電子レンジ | ||
14A | オーブン | 卓上クッキングヒーター | アイロン |
13A | 食器洗い洗浄機 | 炊飯器(5.5合炊飯時) | ドラム式洗濯乾燥機 (乾燥時) |
12A | ドライヤー(強) | ||
10A | 電気ケトル | 掃除機(強) | |
3A | 洗濯機 | ||
2A | ドラム式洗濯乾燥機 (洗濯時) |
台所、キッチンは、電子レンジやオーブン、食洗器などのアンペア数が高いものに囲まれています。
ドライヤーのアンペア数は、高いので、使う時間帯など工夫して使うのがおすすめです。
ここでは例として、朝・昼・夜に分けて使う家電のアンペア数を計算していますので、ご自身のご家庭に合ったもので計算してみて下さいね。
朝に使う | 炊飯器(5.5合炊飯時) | 13A |
電子レンジ | 15A | |
洗濯機 | 3A | |
合 計 | 31A |
昼に使う | 卓上クッキングヒーター | 14A |
電気ケトル | 10A | |
掃除機(強) | 10A | |
合 計 | 34A |
夜に使う | 食器洗い洗浄機 | 13A |
電気ケトル | 10A | |
ドライヤー(強) | 12A | |
合 計 | 35A ピーク最大値 |
ベース消費電力の最大値11.2A+ピーク消費電力の最大値35A=合計46.2A
以上の計算で、家庭に合った契約アンペア数は、50Aが目安となります。
簡単に計算できますので、ご自身の使用状況に合わせて計算してみてくださいね。
②電力量料金
実際の1か月間の電力使用量に応じて料金が決まる。
2024年4月1日以降の料金見直しで、中部電力の電力量料金単価は、2024年3月31日までと比較すると▲0.13円/kWhわずかに値下げになりました。
これによる影響額は、小さいです。
月間の各電力使用量で今回の見直しにより変わる金額を下記表にまとめています。
会社 | 中部 | 中部 | 1か月あたり 安くなる金額 |
プラン | 従量電灯B | 従量電灯B | |
期間 | 2024.3/31まで | 2024.4/1~ | |
300kWh | 7,203 | 7,164 | ▲39 |
400kWh | 10,078 | 10,026 | ▲52 |
600kWh | 15,828 | 15,750 | ▲78 |
1か月あたりの電力使用量が300kWhの場合
- 電力量料金は、以前と比較すると▲39安くなる
1か月あたりの電力使用量が400kWhの場合
- 電力量料金は、以前と比較すると▲52安くなる
1か月あたりの電力使用量が500kWhの場合
- 電力量料金は、以前と比較すると▲78安くなる
1か月あたりに使用する電力量により差はありますが、影響額は、小さいです。
東邦ガスと中部電力で電気とガスをまとめた場合どちらがお得に利用できるかまとめた記事がありますので、ぜひご覧ください。
東邦ガスのがすてきポイントは対象外のプランですが、PayPayポイントがたまる東邦ガス・ボーナスでんきプランと中部電力・従量電灯Bを比較した記事もありますので、ぜひ参考にしてくださいね。
③燃料費調整額
- 電気料金内訳のひとつ
- 原材料の価格変化に応じて上下し毎月変動する電気料金に含まれる金額のこと
- 燃料費が基準価格よりも低ければ電気料金からマイナス、高ければプラスされる
- 多くの新電力も旧一般電気事業者と同じ算出方法を導入している
- 各電力会社によって単価は違う
各月分の燃料費調整単価は、3か月間の貿易統計価格をもとに算定され、2か月後の電気料金に反映されます。
平均燃料価格の算定期間 (3か月間の貿易統計価格) | 燃料費調整が 反映される電気料金 |
1月~3月 | 6月分の電気料金 |
2月~4月 | 7月分の電気料金 |
3月~5月 | 8月分の電気料金 |
4月~6月 | 9月分の電気料金 |
5月~7月 | 10月分の電気料金 |
6月~8月 | 11月分の電気料金 |
7月~9月 | 12月分の電気料金 |
8月~10月 | 翌年の1月分の電気料金 |
9月~11月 | 翌年の2月分の電気料金 |
10月~12月 | 翌年の3月分の電気料金 |
11月~翌年の1月 | 翌年の4月分の電気料金 |
12月~翌年の2月 | 翌年の5月分の電気料金 |
中部電力の燃料費調整単価
(2024.4月~7月)
年 月 | 燃料費調整単価 (低圧) |
2024.4月 | ▲0.10円/kWh |
2024.5月 | 0.04円/kWh |
2024.6月 | 1.51円/kWh |
2024.7月 | 2.84円/kWh |
▽計算式
燃料費調整単価×1か月間の電力使用量=燃料費調整額
例)+単価の月:2024.7月燃料費調整額は、電力使用量が400kWhとした場合
2.84×400=1,136円となり電気料金に1,136円足される。
例)▲単価の月:2024.4月の燃料費調整額は、電力使用量が400kWhとした場合
▲0.10×400=▲40円となり電気料金から40円引かれる。
この燃料費調整額は、電気料金を計算する内訳のひとつであり、変動すると月々の電気料金への影響が大きくなることが、上記の計算例をご覧になるとわかると思います。
現在、ご利用の電力会社の公式サイトやマイページ、電気の検針票や請求書でいくらになっているかぜひ、確認してみてくださいね。
請求の内訳を理解すると、電気料金の見直しや光熱費節約につながりますので、ぜひ一度ご覧になってください。
家計費見直しの記事がありますので、あわせてご覧くださいね。
④再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)
- 太陽光・風力・地熱・水力発電などの再生可能エネルギー発電を普及、拡大させることを目的に電力会社が再生可能エネルギーを買い取る時の費用を消費者である各個人が負担するもの
- 電気を使う方、全員が負担している
- 各年度ごとに経済産業省が算定を行い、毎年5月に料金が改訂される
再エネ賦課金の計算式=単価×電気の月間使用量
再エネ賦課金は、どの電力会社でも同単価で計算されるため差異はないです。
- 2023.5月~2024.4月
- 2024.5月~2025.4月 ←※今回の改定
下記の表は、上記年度の再エネ賦課金単価です。
今回の改定では、3.49円/kWhと前年度から+2.09円/kWhも値上げになり、この値上げによる各家庭の電気料金の負担が増えます。
特にオール電化の方や電気をたくさん使うご家庭の方の負担はとても大きくなります。
1か月あたりの電力使用量でどれくらい負担が増えるか計算していますので、近い電力使用量を参考にしてくださいね。
期 間 | 2023.5月~2024.4月 | 2024.5月~2025.4月 | 差額 |
再エネ賦課金単価 (円/kWh) | 1.40 | 3.49 | +2.09 |
電力使用量 300kWh | 300×1.4/kWh=420 | 300×3.49/kWh=1,047 | +627 |
電力使用量 400kWh | 400×1.4/kWh=560 | 400×3.49/kWh=1,396 | +836 |
電力使用量 600kWh | 600×1.4/kWh=840 | 600×3.49/kWh=2,094 | +1,254 |
1か月あたりの電力使用量の平均は、一般4人家族の場合400kWhですので、前年度から比較すると1か月当たり836円負担が増えます。
再エネ賦課金値上げによる家計への影響額は、大きいと言えます。
まとめ
1か月あたりの電力使用量が300kWh以上の場合に簡単に計算できる表を作りましたので、実際の使用量であてはめて計算してみてくださいね。(※今回の計算では、ポイントなど割引の特典などは、計算に含まない)
①基本料金は、ご自身の契約アンペア数の料金を基本料金表からみて計算してください。
②電力量料金は、300kWh以上の場合、上記表にあてはめて実際の電力使用量で計算してください。
③燃料費調整額は、請求月または計算したい月の単価を燃料費調整単価表から参照して計算してください。
④再エネ賦課金の単価は、3.49円/kWhですので、実際の電力使用量を使って計算してください。
自分で電気料金の計算ができると、電気代の見直しになりますし、毎月引き落とされる料金ですので、意味を理解できると家計管理にも良いです。
計算に慣れると簡単にできますので、ぜひやってみてくださいね。
電気料金を見積もり、見直すのに最適な電力比較サイト「エネチェンジ」があります。
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郵便番号などを入力するだけで、簡単に最適な電気料金プランのある会社を多数比較できますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
\郵便番号で簡単見積もり/
エネチェンジについては、ぜひこちらの記事を参考にしてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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